帳簿書類の保存について
Contents
1, はじめに
過去の領収書や帳簿、決算書はきちんと保存されていますか?
このような税務関係書類の保存については法律上ルールが決まっていて、正しく保存する必要があります。
2, 帳簿書類の保存期間は
保存期間を定めている法律には会社法と税法があり、それぞれの法律で期間が異なっていますが、
一般的には以下のように保存すれば良いでしょう。
なお、これらの書類は紙で保存するのが原則です。
しかし、過去の領収書や帳簿などは量も多くかさばりますし、何年分も保存するとなると非常に場所を取ります。
経団連の試算によると、国内企業が税務関係書類を保存するためのコストは年間3000億円にのぼるとされています。
3, 帳簿書類の保存にはコストがかかっている
書類保存のために外部の倉庫を借りれば目に見えるコストがかかりますし、
自社の事務所などに保存する場合にも、面積の一部が使えなくなっているわけですから、
目に見えないコストがかかっていることになります。
従って、書類保存にはコストがかかっているという意識を持って管理するようにしましょう。
<過去の書類をダンボール箱などに保存する場合の工夫例>
段ボール箱の目立つところに書類の内容や保存期限を記載する
保存期限が過ぎたら速やかに処分する等
余計な書類をためないような工夫も必要になります。
また、文書を廃棄する場合には個人情報やセキュリティの面にも注意しましょう。
4, 帳簿書類をデータで保存する
さて、紙で保存するのは非常に場所を取りますし、「何か良い方法はないでしょうか・・・」
というご相談を受けることがあります。
実は「電子帳簿保存法」という法律により、領収書や帳簿などを紙の保存に代えて「データで保存」することができます。
なんだ、こんな良い方法があれば最初から紹介してくれれば・・・と思われるかもしれませんが、
実はこの法律は要件が非常に厳しく、使い勝手が悪いです。
現状の制度では
3ヶ月も前に事前承認が必要
領収書のスキャンについては3営業日以内にタイムスタンプの付与が必要
帳簿については訂正削除履歴が必要
その他非常に細かな要件が決められています。
複合機でスキャンすればOKというような簡単なものではありません。
しかし、あまりの要件の厳しさから利用が広がらなかったため、
年々改正が重ねられ、令和3年度税制改正で大幅な改正が行われました。
事前承認が不要になり、訂正削除履歴がなくても認められるなど、
政府のデジタル化への本気度が伺える改正になっています。
5, 最後に
改正の適用は2022年4月からなので少し先ですが、2022年は電子帳簿保存元年になるかもしれません。
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