「遺言書」は書いておいた方が良いのでしょうか?
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1, はじめに
人が亡くなると相続が発生します。相続が発生すると、遺言書があれば遺言者の遺志に従って財産が分けられます。遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行うことになり、相続人全員が納得しないと成立しません。
場合によっては、揉めて裁判所の関与を経て、10年以上かかることも稀にあります。結果、長期間財産が事実上凍結されて、相続人の日常生活に多大な影響を及ぼすこともあります。
そこで今回は、遺言書を書くことをおすすめしたい6つのケースをご紹介いたします。
2, 遺言書を書いた方が良いケース
1)子供がいない場合
子供がいないご夫婦の場合、相続人は、配偶者と義親、又は配偶者と兄弟姉妹になります。
遺言書がないと、夫婦の共有財産の預金も他の相続人の実印がなければ生活費の引き出しも自由にできなくなるケースがあります。
夫婦で形成した共有の財産であっても被相続人名義の財産は、義親や兄弟姉妹にも法定相続分がありますので、財産を分ける必要があります。
2)相続人以外の人に財産を残したい場合
もし、生前にお世話になった方や自分の意志を反映して寄付をしたい団体などに財産を残したい場合は、遺言書に書いておくか、生前に死因贈与契約を結んでおかなければ、財産を残すことはできません。また、確実に実行してもらうためには、遺言で遺言執行者を選任しておいた方がよいケースです。
3)事業を承継する必要がある場合
会社経営者の場合は、自分の持ち株が相続によって分散し、会社の運営に支障が出ることもあります。会社の経営上、株式を集中して相続させることが難しい場合でも、経営に関与させない形で株式を相続させる方法などもありますので、専門家に相談することをおすすめします。
4)相続人の中に行方不明者や判断能力に欠ける者がある場合
もし、相続人の中に音信不通で、居場所がわからない人がある場合は、遺産分割協議が進まないケースになってきます。居場所を探したり、裁判所が選任する財産管理人が代わりに遺産分割協議に参加する必要があるなど、時間や費用がかかるケースもあります。
また、認知症やしょう害などにより判断能力に欠ける方がいる場合は、遺産分割協議にあたっては、家庭裁判所で後見人等を選任しなければならず、時間や費用などがかかることが想定され、財産の分け方など裁判所が介入するケースも見られます。
5)前婚の子供がいる場合
現配偶者とその子供、前配偶者の子供が遺産分割協議を行うことになります。両者の関係性にもよりますが、面識がないことも多く、弁護士などを入れての話し合いになることもあります。財産形成の寄与度の問題など、揉める要素が多いケースです。
6)子供はあるが、先に亡くなっている場合
子供はあっても、その子が先に亡くなってしまった場合、代襲相続によって孫が相続人になります。子供と孫たちの遺産分割協議は、生前の事情などの共有が難しく、話し合いがうまく進まないケースもあるようです。
3, 最後に
「遺言」を書くということは、自分の死と向き合うこと。ご本人の気持ちが「まだまだ」だったり、「考えたくないこと」だったりと、いざ書くにあたっては、何かきっかけが必要です。
お誕生日や記念日など、家族で家族の未来のことを話し、「遺言」を考えるきっかけづくりを考えてはいかがでしょうか?
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