終活の第一歩、財産の整理は何から始めればよいですか?
1.はじめに
相続対策として、基本である「遺言」作成に関して、以前ご説明させていただきましたが、そのひとつ前段階の「財産目録」の整理・作成に関して、終活の第一歩としてご案内したいと思います。引き継ぐ財産をご自身が把握されていないと、引き継ぎ方も決めることができません。
逆に遺産分割をこれから始めるという方々に対しては、遺産分割の準備として故人の方の財産をどうやって把握するかという観点でご説明させていただきます。
前回の内容「相続のキホンである”遺言”について」はこちら
https://www.upp-medical.com/column/souzoku/2243/
2.そもそも財産とは何か?
まず現金や銀行預金はわかりやすく財産としてイメージしやすいと思いますが、大きく以下のような財産があります。
現金・預貯金、不動産、株式や投資信託などの有価証券・金融商品、
自動車、美術品、宝飾品、ゴルフ場の会員権、
ビットコインなどの仮想通貨も財産になります。
その他、確定拠出年金に関しては、相続財産ではありませんが、死亡一時金として、相続人の方が受け取れます。
また注意してもらいたいものとして、借金も負の財産として、引き継がれます。銀行からの借り入れなどは把握しやすいですが、個人からの借り入れなどは、当人同士しかわからないことがあります。
3.どうやって整理するのか、調べるのか?
預貯金であれば、口座番号・金融機関・支店等を記載されておいてください。
株式に関しては、銘柄や証券口座の情報をメモされておいてください。(定期的に配当計算の案内が届くので、最新のものを保管されておいた方が安心です)
自動車は最新の自動車税通知書、車検証のコピーを残しておいてください。値のつく美術品や宝飾品はご自身で一覧をつくっておく方法があります。
借金に関しては契約書、返済一覧表を保管して、借入金や金額をメモされておいてください。
逆に故人が以上のような整理をされていなかった場合は、相続人の方はそのすべてを確認していくところから始める必要があります。
銀行からどの支店にいくら残高があったなどのお知らせをしてくれることはありません。そのため、ご自宅にある通帳や、配当計算の案内などから、財産の有無を推測して金融機関に連絡していくしかありません。
ネットバンキングに関しては、カードが保管されていない場合、見逃してしまわれかねません。仮想通貨に関しては、本人が取引所やコインの情報を伝えていない場合、完全に見落としてしまいます。パソコンやスマートフォンに残されたソフトやアプリから、地道に調査していくことになります。
4.更新作業
財産の内容は、毎年変わっていくと思います。新しい金融商品を購入したり、口座を開設して預貯金の振替をすると、財産の所在が変わっていきます。財産の記録やメモは定期的に更新して、最新の状態に保っておくことをおすすめいたします。
5.財産目録の準備を始めるために
もしものときに残されたご家族の方が、相続手続きで困らないように、まずはお手元の財産関係書類を一箇所にまとめることから始めてください。それだけでも大きく違います。
一方、相続人の立場になられる方々が生前にご本人に財産目録の整理をすすめるのは気が引けるかもしれません。しかし、将来の負担を避けるために、財産の内容を聞かずとも、その整理のご準備を促しておくことは大切になります。
財産目録の事前準備や、遺産分割前の財産調査に関して、お困り、ご心配の方はアップパートナーズの担当に遠慮なくご相談ください。
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