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2023/06/14

個人事業税をわかりやすく解説!

1.個人事業税とは何か

個人の方が営む事業のうち、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金を個人事業税といいます。現在、70の法定業種があり、ほとんどの事業が該当します。


2.納税義務者とは

全国の各都道府県に事務所や事業所を設けて、法定業種の事業を行っている個人の方が納税義務者です。


3.申告の期限・方法

個人で事業を営んでいる方は、毎年3月15日までに前年中の事業の所得を、県税事務所に申告することになっています。       
ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした方は個人の事業税の申告をする必要はありません。


4.法定業種と税率

個人事業税の課税対象は法定業種と呼ばれる70の業種になります。その70の業種はさらに3つの区分に分けられ、税率は各区分によって異なりますが、70の業種のうち65の業種は5%になります。ちなみに、歯科医院は歯科医業(第3種事業)に該当し、税率は5%が適用されます。


5.個人事業税の算出方法

所得計算

総収入金額-必要経費(※1)-各種控除(※2)=所得金額

税額計算

所得金額✕税率(3%又は5%)

※1 所得税計算の例によらないものについて調整します。
・社会保険診療報酬にかかる所得
・青色申告者にかかる青色事業専従者給与
・白色申告者にかかる事業専従者給与

※2 各種控除
・損失の繰越控除又は被災事業用資産の損失の繰越控除
・事業用資産の譲渡損失の控除
・事業用資産の譲渡損失の繰越控除
・事業主控除

注意点としては、青色申告特別控除額は控除しない、という点です。

事業主控除

ここで、事業主控除について説明します。
事業主控除とは、個人事業税を計算する際に差し引ける一律290万円の控除のことです。収入から290万円がそのまま差し引かれるため、収入が290万円に満たない場合は個人事業税の納税義務は発生しません。


6.個人事業税の計算事例

たとえば、総収入金額600万円、必要経費300万のクリニックの場合、個人事業税は次のように計算します。
(総収入金額600万円-必要経費300万円-事業主控除290万円)✕税率5%=個人事業税5,000円


7.所得計算の特例

歯科医業には、社会保険診療報酬にかかる所得の特例があります。個人事業税の算出にあたっては、社会保険診療に係る収入や必要経費をすべて除外して算定します。つまり、自由診療分の所得に対してのみ、5.で示した算定式などが適用されることになります。これは、社会保険診療を保護するために、その負担の軽減を図る趣旨によるものです。


8.最後に

個人事業税は、業種によっては課税になる場合と非課税になる場合があります。個人事業税を納めなくてもよいのに納めてしまっている可能性もありますので、再度法定業種に該当するのかどうかを判断しましょう。



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