自宅兼クリニック、税務上の注意点を解説します!
1.はじめに
クリニックを開業する場合、テナントを賃貸する、または院長が建物を所有するケースが考えられると思います。先生が所有する建物に、ご自宅とクリニックが併設されているケースは少なくありません。本日は、自宅兼クリニックの税務上の注意点についてご紹介します。
2.個人事業の場合
クリニック部分については事業の必要経費となります。延床面積のクリニックが利用する床面積が占める割合(事業割合)で経費を按分します。
例えば
全床面積:1000㎡
クリニックの床面積:600㎡
割合:60%(600㎡÷1000㎡×100=60%)
固定資産税100万とすれば
必要経費となるのは60万
ということになります。
その他の経費も、考え方は同様です。ただし、光熱費はメーターを予め分けておいた方が管理しやすいと思います。
住宅部分は住宅ローン控除対象となるため、控除漏れにご注意ください。なお、住宅ローン控除の適用要件のうち、面積の判定は以下のような内容となっています。
店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分を含めた建物全体の面積で判断すること。
その他の要件は通常の物件と同様に扱われますので、詳細は国税庁HPにてご確認ください。土地についても経費の按分基準や住宅ローン控除の適用要件は同様です。
3.医療法人の場合
建物を法人が所有する選択肢もありますが、先生個人が所有する場合、法人に賃貸し、先生個人の不動産収入となります。法人は地代家賃を払うことになるので、ここで問題となりがちなのが、賃料の相場です。
不動産会社に査定してもらうか、近隣の相場を参考にするなど方法はいくつかあります。こちらについては税理士法人アップパートナーズのまでお尋ね頂ければと思います。
ただし、先生の役員報酬と不動産収入が合算して所得税が課税されるため、個人や法人両方のバランスを考慮して算出する必要があると思います。弊社のスタッフよりシミュレーションを致しますので、ご相談ください。
ちなみに不動産収入は社会保険料がかかりません。また、固定資産税、火災保険料、借入金利子などを不動産収入の必要経費に含めることができます。その算定方法は前述したような床面積比で按分することになります。
4.最後に
自宅兼クリニックは、将来的に自分の財産となり、通勤時間が不要などのメリットがあります。経費を床面積比で按分することができるため、書斎や倉庫など事業で使用していると認められる部分についても、経費に含めることができます。
医療法人より先生へ家賃を支払う場合の賃料は、算出根拠が必要となります。気になる点がございましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお尋ねください。
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