奨学金返還支援制度を導入するメリットと注意点
1.はじめに
周知の通り、貸与型の奨学金(返済義務がある奨学金)を借りている方は、大学等を卒業後に奨学金を返還する必要がございます。
例えば、日本学生支援機構の場合、「貸与が終了した月の翌月から数えて7か月目」から返還が開始するそうです。若者にとって奨学金返済の負担は重いため、奨学金返還支援制度を導入することで採用に有利に働くこと可能性があります。
今回は、奨学金における返還支援制度について考察してみたいと思います。
2.奨学金返還支援制度とは?
上記の日本学生支援機構(以下:機構)を例にしますと、機構の貸与奨学金(第一種奨学金及び第二種奨学金を受けていた方)に対して、企業が返還額の一部又は全部を機構に直接送金する事により支援する(代理返還)制度です。
補足
2021年3月までは、企業が一旦、対象者に対して返還額を支給してから、そちらを原資にして対象者から機構へ変換するという制度はありました。2021年4月から、企業が直接機構へ送金する型も可能となりました。又、企業だけではなく、自治体も奨学金返還支援制度を運営しております。
3.メリット及び注意点
企業側
給与等として損金算入及び所得拡大促進税制の支給額の対象
社会保険料が原則として標準報酬月額の算定のもととなる報酬に含める必要がない。
対象者が個人
原則所得税が非課税
会社役員や個人事業主ご本人、その他従来型の直接返金制度でない場合、給与課税と判断される場合がありますので注意が必要です。
4.最後に
導入に際しては、規程を導入することをおすすめいたします。
また、昨今、優秀な人材確保並びに従業員の離職を防ぐための手段として、奨学金返還支援制度を採用している企業が増加しているようです。参考となる資料も合わせて添付致します。今後のご参考になれば幸いです。
▼(独)日本学生支援機構 企業の奨学金支援(代理返還)に関するQ&A
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kigyoshien/__icsFiles/afieldfile/2023/03/28/kigyoushien_faq_2023.pdf
▼(独)日本学生支援機構 企業の奨学金返還支援(代理返還)への対応
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kigyoshien/__icsFiles/afieldfile/2022/09/06/kigyoushien5_1.pdf
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