リモートワークを実施する時に注意すべき5つのポイント
Contents
1.はじめに
働き方改革や新型コロナウイルス感染症対策として、国を挙げて「テレワークの導入」が推進されています。
事業所に出社して働くわけではなく従業員の自宅等での勤務になると、管理者の目が届きにくくなるため、導入する際は事前に確認しておくべきことがあるのをご存知でしょうか。
今回は、社労士目線でリモートワーク実施する際に注意する事項を紹介していきます。
2.リモートワークを実施する時の注意点
① 労働時間管理について
自宅等の事業所外で勤務する場合は、労働時間の把握がしにくくなります。そのため、労働時間の管理方法を事前に決めておく必要があります。
例えば、勤務開始時及び終了時間の上長への報告方法のルール化であったり、時間外労働や休日労働が必要なときは、事前の承認を要することなどが挙げられます。在宅でも打刻や残業申請できるシステムを導入することで、効果的な勤怠管理が出来ますので、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
また、自宅に仕事環境が出来ると、無制限に公私の切り分けが出来なくなり、長時間労働となる恐れありますので、時間外労働や深夜労働の申請及び許可をとることを徹底する必要があります。
②賃金について
在宅ワークの場合は、通常勤務と比べて、業務内容やその難易度を変えないといけない場合もありえます。在宅ワークの日の勤務分は、時給を通常と異なることとすることは可能ですが、事前の説明や確認をとる等の労使で合意をとっておく必要があります。
③情報セキュリティ対策について
リモートワーク時には、業務に使用するパソコン端末を社外に持ち出すことが多いと思います。すなわち、企業機密の漏洩リスクに直結することにします。そのため、セキュリティシステムを強化するために、下記のような情報漏洩リスクを低減させる対策が必要不可欠です。
・アクセスの管理
・制限や暗号化による管理を徹底
・従業員向けにセキュリティ意識を高めるための研修を実施
④費用の負担について
リモートワークに伴い、事業所内で行う時にはかからない費用がかかります。業務で使用する携帯電話等の通信機器の費用、インターネット料、事務用品や郵送費用などが挙げられます。その費用負担について、会社もしくは労働者のどちらが負担するものなのかを定めておかないと揉める原因となります。
⑤リモートワークにおける規程の作成について
これまで挙げてきた内容を含め、リモートワークのルールを定めていたとしても、従業員がそのルールを知らなかったり、基準が可視化されていないと揉める要因にもなります。そのため、在宅勤務規程などで規定化することにより、その基準や労働条件が明確化することで、透明性の高い制度を整えることが出来ます。
3.まとめ
これまで挙げてきたように、リモートワークは、多様な働き方の実現や通勤時間の削減によるワークライフバランスの実現など、多くのメリットがある一方で、勤怠管理や情報漏洩リスクなどの注意点があります。また、出社して社員全員で仕事を行う時とは異なり、コミュニケーションが希薄となることで、円滑な社内連携を阻害する要因となり、社員教育もしにくくなります。
その対策として、通常よりも密な連絡を取り合ったり、情報共有ツールを作ったりすることなど事前の準備をすることが大切です。
ご不明な点がありましたら、社労士法人かぜよみまでお問い合わせください。
※本記事の記載内容は、2022年10月現在の法令・情報等に基づいています。
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