ペイハラから職員を守る!医療機関が取るべき対応とは?
Contents
1.はじめに
病院窓口で大声をあげて「◯時ピッタリに診療しろ!」「診療の内容に納得いかないから土下座しろ!」と叫ぶ患者。
今、医療現場において、患者やその家族等から受ける暴言・暴力・セクハラなどの迷惑行為「カスタマーハラスメント(ペイシェント(患者)ハラスメント)」が各地で問題になっています。
このコラムでは、「ペイハラ」からどう職員を守るか、どのような対策をとるべきかについて焦点を当てていきます。
2.ペイハラの実態とは?
福岡市医師会が2023年9月に実施した調査によると、患者等からの迷惑行為が有ったと回答した医療機関は190件(50%)。
https://www.city.fukuoka.med.or.jp/jouhousitsu/report261.pdf
迷惑行為の具体的事例で多いのは「暴言」「SNS等での誹謗中傷、悪質な口コミ」「長時間にわたる拘束(居座り、長時間の電話)」で、過剰な要求やいわれのない誹謗中傷により、通常の診療にも影響を与えていることがうかがえます。
令和4年10月5日 定例記者会見で使用された資料より抜粋
これらの迷惑行為は、通常の診療に支障をきたすだけでなく、医療従事者の働く環境にも大きな影響を与えます。精神的なストレスによる休職や離職につながる可能性もあります。
しかし、現状では一律の対策が難しく、医療機関ごとに対策を講じる必要があります。その場しのぎで適切な対応をしていない場合、医療機関の職員に対する安全配慮義務が問われ、被害を受けた職員から責任を追求される可能性があります。
3.ペイハラについて医療機関が取るべき対応
①基本姿勢の明確化と職員への周知・啓発
職員をペイハラから守る!という基本方針や姿勢等とともに、職員の対応のあり方を教育。
②相談体制の整備
相談窓口・相談対応者を決めて職員へ周知。
相談対応者が相談内容や状況に応じた適切な対応ができるようにしておく。
④心身への配慮のための取組
カウンセリングの機会を与えるなどの職員のストレス対策
⑤迷惑行為を防止するための取組
対応マニュアルの作成や研修等を行い、迷惑行為における具体的な対応や再発防止のための取り組みについて教育。
最後に
ペイハラ対策に取り組むことは、医療機関で働く職員を守り、他の患者の診療環境をよりよくすることにもつながります。
マニュアルやルール作成など、アップパートナーズグループでもご支援が可能ですのでぜひお気兼ねなくご相談下さい。
- 病院・クリニックの方へ
- 歯科の方へ
- 新規開業をお考えの方へ
- 医療法人設立をお考えへ
- 事業承継・相続・売却をお考えの方へ
グループのサービスご紹介