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2025/02/18

「遅刻・早退・欠席した場合は罰金1万円」これって違法では?

1.はじめに

『遅刻・早退・欠勤した場合は罰金1万円』このような制度の適法性についてお尋ねを頂くことがございます。
労働基準法には、労働者保護の観点から、違約金や損害賠償額を予定する契約を禁止する規定が設けられているため、上記のような制度は労働基準法違反となってしまいます。

労働基準法16条(賠償予定の禁止)
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。


2.遅刻・早退・欠席に対する対応

では、遅刻・早退・欠勤等は無制限に許容しなければならないのでしょうか?
 
不就労時間に対する給与控除は適法である
→ノーワーク・ノーペイの原則に基づき、不就労時間数(遅刻・早退・欠勤した時間数)に対応する給与を控除することに問題はありません。
例えば、1日8時間・月20日勤務・月給25万円のスタッフが1日欠勤した場合、下記の計算に基づき、12,500円の給与を控除することが認められます。

 250,000円÷160時間(月の所定勤務時間)×8時間(欠勤1日)=12,500円

◯賞与を減額することは適法である

→各人の賞与は業績等を考慮して決定されているかと存じますが、勤怠を勤務成績の一部として査定し、遅刻・早退・欠勤が多い職員について、それらが全く無い(少ない)職員よりも賞与額を減額することに問題はありません。
遅刻・早退・欠勤はいわゆる勤怠不良であり、賞与の査定においてマイナスに作用することは自然な考え方です。
遅刻・早退・欠勤が賞与額に影響を及ぼすことを周知することで、罰金制度が無くとも、十分な抑止力になるのではないでしょうか。

◯就業規則に基づく懲戒処分は適法である

→就業規則の懲戒事由に遅刻・早退・欠勤が規定されており、再三の注意指導でも改善が見られないなどの事情が存在する場合においては、就業規則に基づく懲戒処分(譴責・減給等)を行うことが可能です。

※本記事の記載内容は、2025年2月1日時点の法令・情報等に基づいています。


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