短期継続融資の活用について
1.はじめに
短期継続融資という言葉をご存知でしょうか。
開業したての経営者の方や中小企業の経営者の方は日々の資金繰りについて頭を抱えてらっしゃる方がいるかもしれません。そういった経営者の方々の、経営の手助けの選択肢の一つとなり得る融資形態について本日はご案内させていただきます。
2. 短期継続融資とはそもそもどのような融資形態なのか
短期継続融資とは企業が事業を継続する上で必要となる「正常な運転資金」を融通する為の融資の一つで、期日一括返済を条件とした契約期間が1年以内の短期融資のことをいいます。
ここでよく耳にするのが、
「資金繰りで頭を悩ませてるのに期日一括返済ってそんなの返せませんよ!」 というお言葉です。
おっしゃる通りです。
しかし、短期継続融資の特徴を抑えておけば有効に活用できるはずです。
3.既に約定返済(証書貸付)を借りている方は毎月の返済負担が大幅に減る
運転資金の融資にあたり、既に証書貸付を借りている方も、これから借りる方も含め、証書貸付を利用した場合には元金の返済も毎月行わなければなりません。そのため、実際には運転資金として回せる額は少ない計算になります。その後、どうなるかというと、借入の本数が増加し毎月の資金繰りを逆に圧迫してくることへつながります。
運転資金は事業を行っていると切っても切れない関係です。一例として、クリニックであれば保険診療の報酬が入金されるまで、1ヶ月半以上の期間が空きます。(自由診療報酬等はここでは除きます)
本来事業を行う上で必要な資金の借入にも関わらず、返済を毎月行うことで上述した通り、資金が圧迫されていくこととなります。
これを解決できるのが短期継続融資です。
正常な運転資金に対する融資となるため、仕入代金を借入金で用立て、後の売上金の回収、入金により返済を行うことで確実に返済ができます。
事業を継続する限り常時必要な資金となりますので、期日で返済をしても直ぐに借りなければなりません。従って、実際は返済期日到来時に返済期限の延長を行い、実質的に返済をしない借入金となります。
デメリットは万が一、貸し手が期日の延長を断ってきた場合に資金繰りが急速に悪化するというリスクです。しかし、長期の借入である証書貸付は返済原資が企業の利益であることに対し、短期継続融資については売上の回収金が返済原資となっているため、売上がしっかりとあがっていれば融資を受けられる可能性は高いと思われます。
4.最後に
今回は、簡単ではありますが、短期継続融資の概略と選択肢の一つとして利用できると思い本テーマを取り上げました。上手に活用できれば、非常によい融資形態だと思われます。
今後、このような融資を選択肢の一つとして利用できるためにも、日々の資金の管理や売上サイクルの流れを経営者の方が把握されることで、銀行の方々との信頼、信用にもつながり必要な時に必要な額を借りることができる下地ができてくるかと思われます。
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