個人の確定申告と帳簿の保存期間
1.確定申告が必要な方
確定申告の時期となりました。その年の1月1日から12月31日までの間に生じた所得から所得控除の額を差し引いた残額に対し、一定の税額控除の額が超える場合、確定申告が必要です。また確定申告時期は、その年の翌年2月16日から3月15日までとなっています。なお、給与所得のみの会社員は年末調整で処理が終わりますので、確定申告の必要はありません。
2.確定申告をした方がお得な方
会社員等は前述のとおり、年末調整で所得税の精算が完結しますので、原則として確定申告の必要はありませんが、確定申告をすることで税金の還付を受けることができる場合があります。例えば、その年に多額の医療費を支払っている場合、ふるさと納税等の寄付を行っている場合、災害等により損害を受けた場合は、所得控除が受けられる可能性があります。また、その年に住宅を新築し住宅ローンを組んだ場合、一定の要件を満たせば、借入金等特別控除が受けられます。適用初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は、年末調整で税額控除が受けられるようになります。
3.記帳について
個人で事業や不動産賃貸を行っている等、事業所得、不動産所得を生ずべき業務を行っている場合は、記帳を行う必要があります。「記帳」とは、日々の売上や仕入れ、経費等について、取引の年月日・取引先・金額等を帳簿に記入することです。白色申告の場合は、取引ごとではなく、日々の合計金額をまとめて記載することが認められますが、青色申告の場合は、一定水準の記帳が求められます。この青色申告とは、所得金額から最高65万円控除ができる、損失の繰越ができる等、税制優遇措置が受けられます。
4.帳簿書類等の保存期間
作成した帳簿の他、取引に関して受け取った請求書や領収書等の書類は、整理して保存しなければなりません。所得税において求められる帳簿や書類の種類や保存期間は、青色申告か白色申告かで異なりますが、今回は青色申告の場合で、説明します。
青色申告の場合で保存が必要なもの
a. 帳簿・・・保存期間7年間
仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、固定資産台帳、売掛帳、買掛帳等
b. 書類・・・保存期間7年間
・損益計算書、貸借対照表、棚卸表
・領収証、預金通帳等
ただし、請求書・見積書等は、5年間保存となります。
5.帳簿書類等の保存方法
帳簿書類の保存方法は、紙での保存、あるいは、電子帳簿保存法の規定に則した電磁的記録による保存になります。
なお、令和4年1月1日以降は電子取引についての取り扱いが大きく変わりますので、ご注意ください。
電子帳簿保存法について知りたい方はこちらから
『電子帳簿保存法の改正で変わること』
https://www.upp-medical.com/column/clinic-management/4301/
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