従来の住宅ローン減税が2021年で終了しています!
1.はじめに
不動産・住宅産業は自動車産業と同じように日本の経済を支える大きな要素です。
今後の住宅ローン減税の動向が日本の経済に大きく影響するといえます。
今回、2022年より住宅ローン減税が大きく変わることとなりました。住宅ローンの改正について解説します。
2.住宅ローン控除の変更点
住宅ローン控除は納めた所得税(控除しきれなかった分は住民税の一部からも)から年末の住宅ローン残高×控除率の分が戻る制度です。①いままで「1%」だったところが「0.7%」となります。この控除率は新築、中古住宅共通です。つまり、年末の住宅ローン残高が3,000万円(上限額内で)あれば最大で0.7%分の21万円が戻ってくる計算となります。
期間
また期間ですが②新築住宅は控除期間が10年から13年に延長されました。しかし、直近の住宅ローン控除制度が2019年の消費増税緩和のため控除期間が13年に延長されていたことを考えると、あまりお得感は感じられないかもしれません。
ここで注意したいのが2024年以降の「一般の新築住宅」です。認定住宅などの環境性能などに配慮した住宅が13年間の控除期間があることに対し、「一般の新築住宅」は2024年以降の入居から10年間となります。
借入限度額
借入限度額も大きく変更となっています。③住宅ローン控除には控除が適用される借入上限額が決められています。この上限を超えた金額に控除は適用されません。
2022年の改正では一般の住宅は3,000万円まで、その他の一般の住宅のみ上限額が引き下げられています。更に、2024年以降は2023年中に建築確認が取れているものに限り2,000万円までが限度額となります。
なお、2023年までに建築確認が取れていないものについては0円となります。
3.2021年12月との比較
2021年12月以前と比べてみましょう。
例えば、3,500万円住宅ローンを組み3,500万円の一般住宅を購入、昨年(2021年末)までに入居された方がいらっしゃった場合。
控除率1%。期間13年間。限度額4,000万円となりますので、税額控除額が35万円となり、概算ですが13年間で、「364万円」の税額控除を受けることができます。
2022年1月以降の入居となると
控除率0.7%。期間13年間。限度額3,000万円となりますので、税額控除額が21万円となり、
概算ですが13年間で、「245万円」の税額控除となります。
更に、2024年1月以降の入居となると
控除率0.7%。期間10年間。限度額2,000万円となりますので、税額控除額が14万円となり、
概算ですが10年間で、「140万円」の税額控除となります。
同じ3,500万円の一般住宅の購入ですが、「224万円」もの差が出てきます。
所得の上限も変更となっており、中間所得層を対象とした制度となります。④減税を受けられる「所得の上限」は現行の「3,000万円」から「2,000万円」に引き下げられました。
新築住宅の住宅ローン減税を踏まえた今後の方向性としては、2024年以降の入居からは原則として省エネ基準に適合する住宅でなければ住宅ローン減税が受けられなくなります。
4.最後に
簡単にまとめると、
①控除税率が「1%」から「0.7%」に。
②控除期間も2022年から2023年は「13年間」。2024年から2025年は「10年間」(2023年までに建築確認が必要)
③借入限度額も2022年から2023年は「3,000万円」。2024年から2025年は「2,000万円」(2021年までは4,000万円)
④所得の上限も3,000万円から「2,000万円」に引き下げ。
今回は、一般住宅を主として解説しましたが、その他にも変更されています。
冒頭にも述べたように経済に大きく影響を与える可能性がありますので、ぜひ参考になさってください。
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