改めて交際費について確認しましょう。
1.はじめに
医院経営にとって患者様やメーカー業者、他の診療所の先生など、コミュニケーションを取り、業界ならではの情報を得ることや業者との良い関係を築くことは、収入に繋がる大変大事なことです。コミュニケーションを図る場所の代表例として、飲食店でのお食事やゴルフのお付き合いが多いかと思います。そこで今回は、そのような「交際費」と科目の似た「福利厚生費」について、改めて見直していきたいと思います。
税法では交際費として判定されるものとされないものの線引きがありますが、解釈の違いや実態で「福利厚生費」だと思っていたものが「交際費」として判定されることもあります。
そのポイントを今回いくつかご紹介します。
2.交際費の上限額
法人の場合、交際費の上限額が800万までと定められています。上限額を超えてしまうと経費として認定されず、 利益にプラスして税金がかかってくるので注意が必要です。
3.福利厚生費との区分
専ら従業員の慰安のために行われるイベント、演芸会、旅行などのために通常要する費用については交際費等から除かれ、福利厚生費などとされます。
(例)
①創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用
②従業員等又はその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(結婚祝・慶弔費)
4.社内飲食費
特定のスタッフとの飲食費は原則交際費に該当することになります。
社員との飲食費は全て福利厚生費になるわけではなく、参加メンバー次第では「社内飲食費」に区分され、福利厚生費から除外されることになります。実態として従業員の私事に関わる場合は給与とみなされることもあるので注意しましょう。
5.少額の飲食費
飲食費等に関する支出金額を参加した者の人数で割って計算した金額が5,000円以下である場合、交際費から除かれます。
ただし、下記の事項を記載した書類を保存している場合に限り限定されます。
① 飲食等のあった年月日
② 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
③ 飲食等に参加した者の数
④ その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称及び所在地(店舗がない等の理由で名称又は所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名又は名称、住所等)
⑤ その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項
6.最後に
いかがでしたか?
「飲食代=交際費、スタッフへの支出=福利厚生費」と考えているらっしゃる方が多いように思われます。
ざっくり言うとそうかも知れませんが、実態の内容によってはそうでないことは、上記の科目問わず、よくあります。
ご自身の情報は正しいか一度改めて確認する時間を作ってみてもいいかもしれませんね。
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