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2023/05/02

クリニックをリフォームした場合、工事費用の扱いはどうなる?

1.はじめに

患者増加や診療方針の変更に対応するために医院内のレイアウトを変更するなどクリニックのリフォーム工事を実施される場合があると思います。その場合に工事費用が税務上どのような取り扱いになるかについて、自己所有の場合と賃借の場合に分けてご説明致します。


2.自己所有の場合

リフォーム工事を実施した場合に負担したすべての費用が修繕費として費用(経費)となるかというとそうではありません。
支出した金額のうち、工事を実施したことで、その資産の使用可能期間が延長される部分、またはその資産の価値が増加された部分については修繕費として処理することはできません。資本的支出に該当するため、資産計上した上で耐用年数に応じて費用(経費)になります。
資本的支出に該当する具体的な支出としては、増設費改造費などがあります。一方で維持費壊れた部分の補修費は修繕費になります。
資本的支出と修繕費の具体的な判定方法については、過去の記事(2021年6月2日)を参考にされて下さい。

▼資本的支出と修繕費
https://www.upp-medical.com/column/medical-co/2677/


3.賃借の場合

賃借物件に対して行ったリフォーム工事の費用については、建物の耐用年数、造作の種類、用途、使用材質等を勘案して、合理的に見積もった耐用年数によって償却することになります。同一の建物に対して複数の造作が行われる場合は、造作の種類ごとに耐用年数を見積もるのではなく、全ての造作をまとめて一の資産として見積もることになっています(耐通1-1-3)。
なお、建物について賃借期間の定めがあるもの、かつ、貸主に有益費の請求又は買取請求をすることができないものについては、耐用年数を合理的に見積もる方法のほか、賃借期間を耐用年数とすることができます(耐通1-1-3)。


4.最後に

リフォーム工事については、これまでご説明したように工事の内容や自己所有、賃借などの状況に応じて処理が異なります。そのため支出した金額が費用(経費)となるか資産計上となるかについては事前の確認が必要となります。内容につきましてご不明な点などございましたら、弊社スタッフまでお問い合わせ下さい。



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