スタッフに実施する健康診断の税務処理をご存じですか?
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1.はじめに
事業者は、労働安全衛生法第66条に基づいて、労働者に対して、医師による健康診断を実施しなければならず、労働者も事業者が行う健康診断を受けなければなりません。
そこで今回はスタッフに対して実施する健康診断における税務上の取り扱いについてお伝え致します。
2.他の医療機関で健康診断を実施した場合
スタッフの健康診断を他の医療機関で実施して費用を負担した場合には、下記の要件を満たせば福利厚生費として費用(経費)計上することができます。
健康診断を福利厚生費として計上するための3つの要件
(1)特定のスタッフだけを対象としていないこと
(2)通常必要と認められる金額を超えていないこと
(3)事業者が直接医療機関に健康診断費用を支払っていること
3.自医院で健康診断を実施した場合
個人開業されている先生が、先生のご家族や医院で働くスタッフに対して、健康診断を実施した場合には、福利厚生費と収入をそれぞれ計上しなければなりません。
スタッフの健康診断にかかった費用(外部への検査委託費用、レントゲンフィルムなどの支払)については、スタッフからお金をもらっていませんが、その分は「収入」として計上することが必要です。その場合、相手勘定は「福利厚生費」となります。
4.人間ドックの費用負担
役員又は使用人の健康管理の必要性から、雇用主に対し、一般的に実施されている人間ドック程度の健康診断の実施が義務付けられていることなどから、一定年齢以上の希望者は全て検診を受けることができ、かつ、検診を受けた者の全てを対象としてその費用を負担する場合には、給与等として課税する必要はありません。
5.インフルエンザの予防接種費用
季節性インフルエンザの流行前に、患者へ感染が懸念される業種では、「業務上接種の必要性がある」と判断して、医院の負担でインフルエンザの予防接種を行っていることがあります。この場合、希望者全員に予防接種を受けさせれば、その費用は「福利厚生費」として必要経費にすることが出来ます。
6.最後に
診療を円滑に進めるためには、スタッフの力が必要となります。そのスタッフが安心して、健康に働ける状況を作るために健康診断等を実施されると思います。そこで負担したものがどのような取り扱いになるのかご確認頂ければと思います。
もし、ご不明な点などございましたら税理士法人アップパートナーズへお気軽にご相談下さい。
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