2023年の受療行動調査結果から見えること
1.はじめに
令和6年9月30日に、厚生労働省から「2023年受療行動調査」の概況が発表されました。調査対象は、全国の一般病院を利用する患者約15万3千人で、2023年10月に実施され、約10万4千人からの有効回答を得て集計されたものになります。結果の概要として、医科の8つの項目がまとめてありました。
1・「ふだん医療機関にかかる時の情報の入手先」
2・予約の状況、診察時間までの待ち時間、診察時間(外来患者のみ)
3・最初の受診場所(外来患者のみ)
4・自覚症状の有無、自覚症状はなかったが受診した理由、受診までの期間(外来患者のみ)
5・医師からの説明の有無、説明の程度
6・今後の治療・療養の希望(入院患者のみ)
7・退院の許可が出た場合の自宅療養の見通し(入院患者のみ)
8・満足度
今回は、上記8項目のなかで、1,2,8の3つの項目についてポイントをみていきます。
2.重要なポイント
①「ふだん医療機関にかかる時の情報の入手先」
外来、入院ともにほとんどの方が、事前に情報を入手されており、外来で80.7%、入院で83.6%となっていました。情報の入手先は外来、入院ともに「家族・友人・知人の口コミ」がもっとも高く、外来で68.4%、入院で66.7%となっていました。次いで、外来では「医療機関が発信するインターネットの情報」が28.8%、入院では「医療機関の相談窓口」が24.0%となっていました。やはり、自身が一番信頼をおける身近な人の情報に一番重きを置いていることが分かります。
②「予約の状況、診察時間までの待ち時間、診察時間(外来患者のみ)」
診察等までの待ち時間は、全体では15分未満が27.9%で最も多く、続いて15分~30分で24.9%となり、半数以上が30分以内となっていりました。30分~1時間が20.6%で、約7割が1時間が待ち時間の目安になっているようです。医療機関の規模、診療科目によっても当然ばらつきはあると思いますが、個人の感覚としても、予約時間から30分経過すると、「まだかなぁ?」とちょっと不信感を覚える印象があります。
次に診察時間は、全体では5分~10分未満が最も多くて40.9%、次いで5分未満が28.5%となっていました。
⑧「満足度」
全体としてこの病院に「満足」していると回答したのは、外来で63.7%、入院で67.3%。「不満」であると回答したのは、外来で4.4%、入院で5.3%となっていました。項目別の満足度をみると、「満足」していると回答した理由で多かったのは、「医師による治療・診療内容」「医師との対話」「医師以外の病院スタッフの対応」となっており、外来で約6割、入院で約7割がいずれかの項目になっていました。一方で「不満」であると回答した理由でもっとも高かったのは、外来では「診察までの待ち時間」が25.2%、入院では「食事の内容」で15.4%となっていました。
3.まとめ
私が現在、個人的にかかっている診療科目では、平均待ち時間は予約しているにもかかわらず平均1時間ですが、診療時間も約50分と平均より長く、満足しているかどうかと問われれば、まぁ満足しています。理由は、待たされるけど、1度の治療時間が長いので、しっかり治療してもらえるし、先生の診断が早いからです。
診療科目によって、患者が求めるものにはそれぞれ違いがあると思いますが、医療機関を受診される方の全体的な傾向として、「2023年受療行動調査」は皆様の医療経営の参考になるのではないかと思い紹介させて頂きました。
参照:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/23/index.html
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