代診医師に対する源泉徴収はどう計算する??
1.はじめに
医療機関では患者増加や往診などに対応するため、代診医師として大学病院などから医師の派遣を受ける事があるかと思います。その際に代診医師に対して給与を支給することになりますが、その場合の源泉徴収税額はどのように計算すればよいのでしょうか。
2.日額表乙欄
代診医師に給与を支払う場合として、給与を手取りベースで契約して、勤務の都度現金で支払うことがあります。
この場合の給与に係る源泉徴収は、「給与所得の源泉徴収税額表」における「日額表の乙欄」を使用して計算することになります。
一日あたりの手取り金額5万円の場合の計算例
※令和4年分の税額表に基づいて計算しています。
・源泉徴収税額
8,320円+(社会保険料等控除後の給与総額(X)-24,000円)×40.84%
・手取逆算式
X-[8,320円+(X-8,320円)×40.84%=50,000円
上記算式を計算すると日額(X)は82,013円、源泉徴収税額は32,013円(82,013円-50,000円)となります。
仮に1ヶ月に4回支払うと給与手取額は20万円(5万円×4回)、源泉徴収税額は128,052円となります。
3.月額表乙欄を適用する条件
上記2のような場合でも、次のような支払基準を採用していれば「月額表乙欄」での源泉徴収額の計算が可能となります。
(1)月間の給与総額をあらかじめ定めておき、これを月ごと又は派遣を受ける都度分割して支払うこととするもの
【具体例】
1回あたり手取額が5万円、1ヶ月に4回の場合、手取総額は20万円となります。源泉徴収税額を逆算して計算すると29,300円となります。
上記2の具体例の場合と比べると約10万円負担が軽くなることになります。
(2)月中に支払うべき給与をまとめて月ごとに支払うこととするもの
この支払基準は他のスタッフと同様に給与の締日と支払日を毎月所定の日と定めて、銀行振込などで支払う方法です。
4.最後に
代診医師への給与については、通常のスタッフに対する給与と源泉徴収税額の計算方法が異なります。給与金額の設定の際にはぜひご注意下さい。何かご不明な点などございましたら、税理士法人アップパートナーズまお気軽にお問い合わせ下さい。
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