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2022/01/05

「お一人様相続」の準備と対応

1.はじめに

核家族化や、晩婚が進む中で、未婚のまま亡くなられる方や、お子様がいらっしゃらないご夫婦で伴侶に先立たれてお一人で亡くなられる方が増えています。記事をご覧になられている方のご親族の中にも、お一人はそのような立場の方がいらっしゃるかと思います。当事務所でも、「身内に高齢で独居の親類がいるから、今後のことで相談に乗ってほしい」というご相談を受けることが多くなりました。

今回はお一人で生活されている方の相続の準備やその後の対応についてお伝えしたいと思います。


2.事前の準備

①まずは「遺言」、急いでいる場合は「死因贈与」を

まず引き継ぎたい方と財産の内容を示した遺言があれば、他の相続人の署名捺印は不要で、手続きを簡単に済ませることができます。
なお遺言には自筆証書遺言と公証役場で作成する公正証書遺言の2種類があります。
しかし、自筆証書遺言の場合は財産目録を除いて、本文は原則本人の直筆です。また公正証書遺言は出張サービスでの作成も可能ですが、入院中などの場合は、昨今の状況から作成に時間がかかる場合あります。

お急ぎの場合は、当人同士の間で、死因贈与という契約で財産を引き継ぐ準備をすることをおすすめいたします。こちらであれば、あらかじめ作成した契約書にお名前を署名する形で完成します。

②生前の生活サポート・財産管理 「財産管理契約」「任意後見契約」

最近は預金の引き出しに関して、銀行のルールが厳しくなり、本人でないと認められないことが増えています。例えば、体を不自由にされている、独り身の叔父叔母さんから、通帳を預かってお金の管理を頼まれても、引き出しや諸々の支払いができないことがあります。また、本人が認知症になった後の金銭管理や行政手続きなども親類という関係性だけでは代理しづらい場合があります。

そのため、事前にご本人との間で財産管理や生活サポートを目的とした「財産管理契約」「任意後見契約」を交わしておけば、銀行や市役所での手続きを代行できます。


3.何も準備されずに亡くなった場合

①まずは相続財産の確認

遺言など準備されず、何の情報もないままに亡くなられていた場合は、まずはご本人の相続財産の確認が必要です。預金であれば、残された通帳から、各金融機関に連絡して、残高を確認します。不動産に関しては、お近くの市役所で課税台帳から内容が確認できます。保険や株式などの有価証券に関しては、ご自宅に残された書類から会社や口座を特定して手続きをすすめることになります。
 

②借り入れのご確認

相続はプラスの財産だけでなく、借金も相続対象になります。残された書類から、借り入れ先や、金額が不明な場合は、第三者機関に問い合わせる形で概要を確認することができます。

③相続人全員の協力

お子様がいらっしゃらない場合は、両親が先に相続人に該当しますが、順番的にはすでにご両親がなくなっていることが多いので、ご兄弟になるでしょう。なお、ご兄弟が亡くなられている場合は、そのお子様である甥姪になります。そうすると、相続人の数が増えてきます。最近は親類の集まりが減ってきて、長い間連絡をとっていないということもよくあります。相続手続きには原則、相続人の方全員の署名捺印が必要になりますが、人数が多くて、連絡が取れない方がいらっしゃると手続きが進まないのです。


4.最後に

 
相続時には行政手続きや公共料金の解約などの細々とした手続きもあります。お一人様の場合は、なによりも生前のご準備が大切です。
アップパートナーズグループでは、司法書士チームが生前のご相談から、事後の相続手続きまで、ご相談に随時対応しております。いつでもお気軽にご担当までご連絡ください。
  
お問い合わせはこちらから
https://www.upp-medical.com/contact/


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