令和8年度改定で明確になった「健康診断・健診及び予防接種の後の保険診療」算定ルール
1.はじめに
令和8年の診療報酬改定は、「かかりつけ医機能の強化・生活習慣病管理料の見直し」や「医療DXの推進に関する電子的診療情報連携体制整備加算の新設」など医療機関には前回の改定に続き、変化を求められる内容になっています。
その中でも今回の改定の中で地味だけれど、現場のモヤモヤを大いに解消してくれると話題の「健康診断等の受診後における初再診料等の算定方法の明確化」についてスポットを当ててみたいと思います。
2.医療現場と患者さんを悩ませていた「同日受診」
健康診断やがん検診、予防接種。これらはいわゆる「自費(療養の給付と直接関係ないサービス)」の領域です。しかし、現場ではよくこんなシチュエーションが起こりませんでしたか?
「特定健診を受けに来たけれど、ついでにいつもの糖尿病の診察とお薬もお願い」
「がん検診のついでに、最近気になる症状の相談もしたい」
健診等と同日に、そのままシームレスに保険診療へ移行する場合、「初診料や再診料はもらえるの?」「自費の健診費用とはどう切り分ければいいの?」と、算定担当者を悩ませるグレーゾーンが存在していました。
今回の改定では、この「同日・別日」の組み合わせによる算定方法が、以下の通り完全に見える化されました。

※厚労省発行「令和8年度診療報酬改定 7.外来医療の機能分化・強化等」25P抜粋
ポイントは「同日に1回の受診でまとめて行うか」「同日でも別の受診として分けるか(あるいは翌日以降か)」です。
① 健診等に関する疾病に対して保険診療を行う場合
(例:特定健診の後に、糖尿病の精査・治療を行う場合など)
❌同日に「1回の受診」でまとめて実施する場合 初診料・再診料等は算定不可
(※ただし、検査や画像診断、処置、投薬などの診療報酬はきちんと算定できますのでご安心を!)
⭕️「同日の別受診」または「翌日以降」に実施する場合 再診料等を算定可能
② 健診等と「直接関係のない疾病」に対して保険診療を行う場合
(例:がん検診のついでに、足首の捻挫を診てほしい場合など)
⭕️初めての患者さんの場合 同日1回でも、別受診でも「初診料」を算定可能
⭕️すでに通院中の患者さんの場合 同日1回でも、別受診でも「再診料等」を算定可能
このように、「関連するかどうか」と「受診のタイミング」で完全に切り分けられるため、もう窓口やレセプト請求の段階で迷う必要はなくなります。
3.最後に
もうひとつ、今回の改定で明確に文字に起こされたのが、健診後の追加検査の扱いです。
健診の結果、疾病やその疑いが見つかり、「これは詳しく調べる必要がある」と医師が判断して検査を行う場合、『その検査が、あらかじめ健診の一環として予定されていたものではないこと』が客観的に明らかであれば、検査の費用を保険診療として算定して良い、と明記されました。
「見つかったからその場で治療方針を立てるために検査した」という臨床現場の自然な流れが、しっかりと認められた形です。
このマトリックスを院内で共有し、スムーズな窓口対応と正確なレセプト業務に役立てていってください。
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