クリニックのDX化を後押しする2つの税制優遇措置
1.はじめに
現在、国は医療DXとして、マイナ保険証の利用推進、電子処方箋の導入、電子カルテを利用した情報共有などを強く推進してきております。
クリニックとしても、働き方改革やスタッフ不足などの問題があり、DX化を進めるにあたり設備投資やシステム改修が必要となっていることと思います。その際に多額の設備資金が必要となります。国は、そのような設備投資を行った事業者に対して、税制優遇措置を設けています。
2.適用できる税制優優遇措置とは?
(1)中小企業投資促進税制
①対象となる医療機関
青色申告書を提出している「中小企業者等」であること。
個人開業医や持分なし医療法人で従業員数が1,000人以下であること。
②対象なる設備
電子カルテやレセコンなど、1台あたり70万円以上のソフトウェアや160万円以上の機械装置が対象です。ただし、医療機関の場合、医療機器や建物は対象外となります。
③受けられる優遇措置
次のいずれかの優遇措置を選択できます。
(ア)特別償却(30%)
取得価額の30%を、通常の減価償却費に上乗せして取得した年度の経費に計上することができます。
(イ)税額控除(7%)
取得価額の7%を取得した年度の法人税(又は所得税)から直接差し引くことが出来ます。
(2)医療用機器等の特別償却
①対象となる医療機関
青色申告を提出している事業者で医療保険業を営む個人または法人であること。
②対象なる設備
(ア)医療用機器(1台500万円以上のもの)
代表的な設備の例:MRI、CT、歯科用CAD/CAMシステムなど
(イ)勤務時間短縮用設備等(1台30万円以上のもの)
代表的な設備の例:勤怠管理システム、AI音声認識ソフトウェア、遠隔診療システムなど
(ウ)構想適合病院用建物等
代表的な設備の例:都道府県知事の確認を受けた「地域医療構想」の達成を推進するための再編計画に基づき取得又は建設された病院用の建物およびその附属設備。
③受けられる優遇措置(特別償却)
(ア)医療用機器
取得価額の12%を、通常の減価償却費に上乗せして取得した年度の経費に計上することができます。
(イ)勤務時間短縮用設備等
取得価額の15%を、通常の減価償却費に上乗せして取得した年度の経費に計上することができます。
(ウ)構想適合病院用建物等
取得価額の8%を、通常の減価償却費に上乗せして取得した年度の経費に計上することができます。
【各税制優遇措置のまとめ】
| 税制優遇措置 | 主な対象設備と優遇内容 |
|---|---|
| 中小企業投資促進税制 | ・70万円以上のソフトウェア(電子カルテ・レセコン等) ・160万円以上の機械装置 【優遇】特別償却30% または 税額控除7% |
| 医療用機器等の特別償却 | ・500万円以上の医療用機器(MRI・CT等):特別償却12% ・30万円以上の勤務時間短縮用設備(勤怠管理等):特別償却15% ・構想適合病院用建物等:特別償却8% |
3.最後に
今回ご説明させて頂いた内容をご参考にクリニックにおけるDX化を推進して頂ければと思います。
もし、内容等につきましてご不明な点などございましたら、税理士法人アップパートナーズまでお気軽にご相談下さい。
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