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2026/09/07

「防衛特別法人税」が創設。納税負担はどう変わるか?!

1. はじめに

「防衛特別法人税」が、いよいよ令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。防衛力強化の財源確保を目的としたこの新税制ですが、「大企業向けの話では?」「うちのクリニックにも関係あるの?」と疑問に思われる先生方も多いのではないでしょうか。

今回は、医療法人における防衛特別法人税のポイントと、注意すべき実務対応についてわかりやすく解説します。

2. 防衛特別法人税とは?

防衛特別法人税は、法人税率そのものを引き上げるのではなく、通常の法人税額をベースに一定割合を上乗せする「付加税方式」の新しい税金です。

大企業に限定されたものではなく、医療法人を含む「各事業年度の所得に対する法人税を納めるすべての法人」が対象となります。

適用開始時期:令和8年4月1日以後に開始する事業年度から
税率:4%

3. 自院の負担額は?「500万円」の控除がカギ

気になる税額ですが、以下の計算式で算出されます。

(基準法人税額 - 基礎控除額500万円) × 4% = 防衛特別法人税額

ここで大きなポイントとなるのが、年間「500万円の基礎控除」が設けられている点です。
基準法人税額(※)が500万円以下であれば、防衛特別法人税は「0円」となります。

法人税額500万円をクリニックの所得(利益)に換算すると、おおむね年間2,400万円程度が目安となります。そのため、所得がこの水準を下回る医療法人においては、実質的な追加の税負担は発生しません。

※基準法人税額とは、所得税額控除や外国税額控除などの一定の税額控除を適用する「前」の法人税額を指します。事業年度が1年に満たない場合は、月数按分で計算されます。

4. 最大の注意点!納付額「0円」でも申告は必須

「負担が増えないなら、何もしなくていい」と判断するのは危険です。ここが実務上もっとも注意すべきポイントになります。

国税庁の規定により、基礎控除によって最終的な防衛特別法人税額が0円となる場合であっても、原則として「防衛特別法人税確定申告書」の提出(いわゆるゼロ申告)が義務付けられています
これまでの法人税申告書に新たな様式が追加される形となり、税務署へ提出しなければなりません。申告が漏れてしまうとペナルティの対象となる恐れがあるため注意が必要です。

なお、中間申告については初年度は不要であり、令和9年4月1日以後に開始する事業年度から提出義務が発生します。

項目 医療法人の実務ポイント
実質負担増の目安 法人税額が500万円(所得目安約2,400万円)を超えるクリニック
実務上の申告義務 税負担額が0円であっても申告書の提出(ゼロ申告)が必須
中間申告の開始時期 令和9年4月1日以後に開始する事業年度から発生

5. まとめ

防衛特別法人税は、利益水準にかかわらず法人税を納めるすべての医療法人が制度の対象となります。

実質的な負担増となるケース:法人税額が500万円(所得目安約2,400万円)を超えるクリニック
実務上の義務:負担額が0円であっても、申告書の提出(ゼロ申告)は必須

適用開始は令和8年4月以後に開始する事業年度からと、実際の申告期限はまだ少し先ですが、決算期を迎えて慌てないためにも、自院の法人税額シミュレーションや、新様式への申告対応について、顧問税理士と早めに確認・共有しておくことをお勧めいたします

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