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2023/04/14

歯科クリニック開業時のスケジュール策定の重要性

1.はじめに

歯科クリニック開業までにはさまざまな準備が必要です。全ての準備を滞りなく進めていくためにはスケジュール管理が非常に重要となります。今回は、歯科クリニックを開業する際に必要な準備とそれに伴うスケジュール管理についてご紹介したいと思います。


2.歯科クリニック開業までに必要な手続きと準備

開業までに必要な手続き、準備としては、おおまかに下記のようなものがあります。

①開業場所決定(診療圏調査)
②事業計画書作成(建設コスト、医療機器の見積もり)
③助成金申請の検討
④金融機関への融資相談
⑤不動産の売買契約または賃貸借契約
⑥クリニック建設
⑦ホームページ業者、内覧会業者の選定
⑧医療機器の設置
⑨スタッフ採用
⑩行政手続き(保健所、厚生局等)

おおまかに列挙しても①~⑩の手続きや準備が必要です。この一連の準備は、医療機器メーカー、設計士、建設会社、金融機関、税理士、社会保険労務士、不動産会社などさまざまな専門家と協力し、進めていくことになります。


3.開業日から逆算したスケジュールを考える

開業までには上記のようにさまざまな手続きや準備が必要です。どれか1つでもスケジュール通りに進まなかった場合、開業日延期も考えなければなりません。そのため開業を計画した段階でそれぞれの手続きや準備にどれぐらいの時間がかかるのか、期限はいつまでなのかを確認し、逆算したスケジュールを検討しておく必要があります。上記①~⑩のうち特に注意が必要な事項は下記の通りです。

⑩行政手続き(保健所、厚生局)

開業日(保険診療開始日)が決まったら、まずは厚生局にて保険医療機関指定申請書の提出期限を確認します。その確認が終われば、保健所へ診療所開設届の提出期限を確認します。

⑨スタッフ採用

スタッフ教育に必要なトレーニング期間を決定。開業日から逆算し、雇入れ日を決定します。トレーニング期間であってもお給料の支給は必要です。トレーニング期間のお給料支払い予定額は、運転資金を考慮する上で考えておく必要があります。

⑧医療機器の設置

保健所へ診療所開設届を提出する段階で医療機器の設置が完了しておく必要があります。開設届提出期限から逆算し、医療機器の設置日を決めておく必要があります。また、エックス線装置に関しては、エックス線装置備付届を保健所へ提出しなければなりません。そして備付届には、エックス線室の平面図、立面図、漏洩線量測定結果などの書類の添付も必要です。専門業者への依頼が必要な手続きのため、早期に手配をしておくべき事項です。

⑥クリニック建設

戸建て、テナントのどちらかで工期は異なりますが、少なくとも診療開始日の前々月までには、引き渡しを完了しておいた方がその後の準備がスムーズに進むと思われます。ギリギリの引き渡しになると保健所、厚生局の手続き、スタッフのトレーニングに影響が出る可能性があるため、引き渡し日の確認は重要です。また、建設工事に着手する前に保健所にて図面の確認を行っておくこともお勧め致します。

②事業計画書の作成、金融機関への融資相談

金融機関にて融資相談をする際には、事業計画書が必要です。開業時及び開業後に必要となる「お金」を見積もり、計画を作成します。つまり、この時点で今後かかるであろう「お金」を予測しておく必要があるということです。計画段階で漏れている支出があれば、開業後にお金が足らなくなる事態も考えられます。開業後に「こんなはずではなかったのに…」とならないよう計画時点でどのような医院を作るのか、スタッフは何名採用するのか、歯科医師会には入会するのかなどを決定しておく必要があります。

③助成金申請の検討

開業地次第では、新規開業に伴う助成金を受給できる可能性があります。助成金受給のためには、事前に計画書等の書類提出が必要です。助成金が受給できる可能性を逃さないよう、開業を考えた早期の段階で社会保険労務士へ相談をすることをお勧め致します。


4.最後に

上記のように開業する上ではさまざまな準備が必要です。より良い開業をするために事前準備が非常に重要となります。開業を決めた段階で全体のスケジュール把握ができる専門家に相談し、手続きの漏れがないよう早期にスケジュールを決定していくことをおすすめ致します。



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