スタッフと患者を守る「防犯カメラ」の正しい運用法
1. はじめに
以前「受付の横領防止のために防犯カメラを設置したいのですが、スタッフから『監視されているみたいで嫌だ』と反対されてしまった。」と相談を受けたことがあります。
クリニック経営において、金銭管理の透明性を高めることは急務です。しかし、日々現場を支えてくれるスタッフとの信頼関係にヒビが入ることは避けたい。そんなジレンマに悩む先生は決して少なくありません。
私としては、院内カメラは必ず設置したほうがよいと考えております。それは単なる「監視」のためではなく、クリニックとスタッフ、そして患者様を守るために必要と思うからです。
2. 設置理由は「監視」ではなく「防犯」と「抑止力」
カメラ設置の目的をスタッフに伝える際、「横領防止」を前面に出すと反発を招くのは当然です。視点を変え、「トラブルから全員を守るため」であることを強調する必要があります。
記憶に新しいところでは、今年(2026年)3月、ある歯科医院で患者様へのセクハラ事件が発覚し、大きなニュースとなりました。密室性が高くなりがちな診察室や処置室周辺におけるトラブルは、クリニックの存続を揺るがす致命傷になります。カメラがあるという事実そのものが、そうした悪質な犯罪やトラブルに対する強力な「抑止力」となるのです。
※診療科目によっては診療室には設置すると反対にトラブルになる可能性があります。
スタッフとクリニックを守るメリット
院内カメラの導入には、金銭トラブルの防止以外にも、スタッフとクリニックの双方に大きなメリットをもたらします。
① 悪質なクレーム(カスハラ)からの保護
近年、医療従事者に対するカスタマーハラスメント(理不尽な要求や暴言)が深刻化しています。カメラによる映像と音声の記録があれば、万が一の際にスタッフの身の安全を守り、毅然とした対応をとるための客観的な証拠となります。
② 待合室の状況把握と業務効率化
バックヤードから待合室の混雑状況や、急変した患者様がいないかをリアルタイムで確認できるため、スムーズな案内や迅速な対応が可能になり、結果としてスタッフの業務負担軽減につながります。
3. スタッフの理解を得るためのアプローチ
カメラ導入を進める際は、一方的な決定を避け、以下のポイントに留意してスタッフに説明しましょう。
目的を明確にする
「スタッフを理不尽なクレームから守るため」「万が一のトラブル時にスタッフの正当性を証明するため」であると丁寧に伝えます。
プライバシーへの配慮:
休憩室や更衣室には絶対に設置しないこと、映像の閲覧権限は院長など限られた管理者のみに留めることを約束し、運用ルール(ガイドライン)を明確にします。
4. 最後に
院内カメラは、スタッフを縛る鎖ではなく、安全な職場環境を構築するための「お守り」です。クリニックの未来と大切なスタッフを守るためにも、前向きに導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、横領防止であれば自動精算機の検討も視野に入れてはどうでしょうか。業務効率化にもなるため近年導入されている医院は増えております。
クリニック経営についてのご相談は税理士法人アップパートナーズまでお気軽にお問い合わせください。
- 病院・クリニックの方へ
- 歯科の方へ
- 新規開業をお考えの方へ
- 医療法人設立をお考えへ
- 事業承継・相続・売却をお考えの方へ
グループのサービスご紹介






















